カトゥーン部会2006年度第6回研究会
Ⅰ 日時 2007年2月3日(土) 14:00~17:00
Ⅱ 場所 早稲田奉仕園セミナーハウス1階102号室
(東京都新宿区西早稲田2-3-1 03-3205-5411)
Ⅲ 報告者・論題 池上賢(立教大学大学院)
「マンガを語るオーディエンスと自己呈示――団塊の世代とマンガを事例としてーー」
Ⅳ 報告および研究会内容
マス・コミュニケーションの受け手であるオーディエンスは、「構築され」選択的に定義されたものである。マンガの読者もまた同じように「構築され」ている という前提に立ち、いわゆる「団塊の世代」とマンガとのかかわりを、インタビューによって明らかにしようとした。その結果、マンガ体験を語る中で、特にイ ンタビュアーとの相互作用によって、様々な自己呈示が行なわれることや、個人的な体験の一般化や語り手の所属以外の社会的集団が構築されることなどが示さ れた。そこから、マンガの読者は、マンガにおける産業・形態・読書のあり方、読者についての言説、マンガを読む行為、それらを語ることから複合的に構築さ れ、その都度再生産されるものであることが示唆された。
以上の報告を元に、参加者からは、世代論に隠蔽されるジェンダーの問題やマンガ家、研究者がもつストーリーの共有、カートゥーンを含めた「マンガ」経験の開陳など、「相互作用」の結果として様々な言説が「構築され」た。
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