九州マンガ交流部会 第17回例会
日時:2010年5月22日(土) 14:00~16:30
場所:熊本大学・黒髪北地区 全学教育棟 E203教室
キャンパスマップ(熊本大学ウェブサイト)
第17回例会リーフレット(PDF)
研究発表:
藤野千夜が志村貴子に託したバトン ――『ルート225』、文学から漫画へ――
跡上史郎 (熊本大学教育学部准教授)
藤野千夜は、1999年「夏の約束」で第122回芥川賞を受賞しましたが、受賞後第一作は、理論社の「YAシリーズ」中の一冊『ルート225』(2002・1)でした。やがてそれは、新潮文庫になります(2005・1)が、そのときカバー絵を担当したのが志村貴子です。そして、さらには志村による漫画版「ルート225」が『月刊少年シリウス』にて連載され(2007~2008)、『ルート225 シリウスKC』(2008・4、講談社)として上梓されました。
原作と漫画では、結末が大きく異なりますが、なぜか原作者の藤野は変更を喜んでいます。それは、藤野が芥川賞受賞後少し長めのブランクがあったこと、そして「マイノリティとマジョリティ」、「文学と漫画」といった枠組みの越境と関わりがあるに違いないのです。
『「若者奴隷」時代』を語る
山野車輪 (マンガ家)
今年3月刊行の最新作『「若者奴隷」時代:“若肉老食(パラサイトシルバー)”社会の到来』(晋遊舎)で話題を呼ぶ山野車輪に、今日のマンガ家とマンガ産業が置かれている状況やその問題点、マンガ制作・発信・流通スタイルの未来像などについて独自の視角から語っていただきます。
常に時代や社会へ鋭い問題意識を投げかける山野氏がご自身のホームグラウンドである“マンガ業界”についていかに語るのか、注目の機会です。(なお山野氏は1971年のお生まれで「キララ文庫」(店主=橋本博氏)のなじみの客のお一人でもあります。)
第17回例会問合先:
suhiro@kumamoto-u.ac.jp (熊本大学文学部 鈴木寛之)