『マンガの食卓』
南信長
NTT出版
2013年9月17日発行
定価:1600円
ISBN978-4-7571-4316-6
[目次]
「おいしそう」には理由がある
第1章 なぜ<あのマンガ>の<あの料理>はうまそうなのか
1 伝説の“トラウマ料理”が放つ魔力
園山俊二『ギャートルズ』のマンモスの肉
松本零士『男おいどん』の<タテだかヨコだかわからんビフテキ>
泉昌之『最後の晩餐』のすき焼きと『夜行』の幕の内弁当
水島新司『ドカベン』の特大弁当とサンマの丸焼き
藤子不二雄A『まんが道』のラーメンとフランスパンのコロッケはさみ
吉沢やすみ『ど根性ガエル』の梅さんの寿司
牛次郎×ビッグ錠『包丁人味平』のブラックカレー
赤塚不二夫『おそ松くん』のチビ太のおでん
2 “絵に描いたモチ”のシズル感に酔う
五十嵐大介『リトル・フォレスト』のバゲットサンド
深谷陽『スパイスビーム』のカオ・パッ・ガバオ・ガイ
久住昌之×谷口ジロー『孤独のグルメ』の焼き肉
よしながふみ『愛がなくても喰ってゆけます。』の極上フレンチ
高瀬志帆『おとりよせ王子 飯田好実』の卵かけごはん
花輪和一『刑務所の中』の小倉あずきとフルーツサラダ
土山しげる『極道めし』のかきあげそば
山口晃『すゞしろ日記』の金沢のすし
3 キャラクターの“大好物”に誘われて
藤子不二雄『おばけのQ太郎』の小池さんのラーメン
亜月裕『伊賀野カバ丸』のカバ丸の焼きそば
大和和紀『はいからさんが通る』の紅緒のつくね
高森朝雄×ちばてつや『あしたのジョー』のマンモス西のうどん
細野不二彦『ギャラリーフェイク』の藤田のカニチャーハン
第2章 食事シーンはどのように描かれてきたか
1 食事シーンを描く作家、描かない作家
ストーリーを描く手塚治虫、生活を描くちばてつや
草食系のあだち充、肉食系の高橋留美子
食事を句読点とする浦沢直樹、句読点を打たない大友克洋
飢えを主題とする諸星大二郎、食が人生を物語る黒田硫黄
メシを食うことから始まる尾田栄一郎、ドーピングに走った鳥山明
2 物語の小道具としての料理
福本伸行『最強伝説 黒沢』のアジフライ
花沢健吾『ボーイズ・オン・ザ・ラン』のカップ焼きそば
安野モヨコ『働きマン』の納豆巻き
森高夕次×アダチケイジ『グラゼニ』の唐揚げチャーハン
渡辺ペコ『にこたま』のキムチ鍋
くらもちふさこ『天然コケッコー』のしゃぶしゃぶ
吉田秋生『海街diary』のちくわカレーとしらすトースト
吉田まゆみ『ガールズ』のラーメン
板羽皆『サムライカアサン』の赤飯カツ丼
吉野朔実『ぼくだけが知っている』の冷し中華弁当
米田達郎『リーリマン』のたらいうどん
羽海野チカ『3月のライオン』の唐揚げ
荒川弘『銀の匙』のピザと豚丼
3 フェティシズムとしての食
えすとえむ『うどんの女』の素うどん
三宅乱丈『王様ランチ』の顔面弁当
高橋のぼる『リーマンギャンブラー マウス』の女体盛り
4 貧者の食卓
いしいひさいち『バイトくん』のキャベツごはん
前川つかさ『大東京ビンボー生活マニュアル』のネコまんま
蓮古田二郎『しあわせ団地』のミートソースと生煮えカレー
第3章 グルメマンガはどこまで進化するのか
1 キッチンは戦場だ!
すべては『包丁人味平』から始まった 『包丁人味平』『ミスター味っ子』ほか
多様化、細分化する料理ジャンル 『将太の寿司』『中華一番!』ほか
そこまでやるか!?トンデモ料理バトル 『鉄鍋のジャン!』『トリコ』ほか
「作る」ではなく「食べる」バトルも登場 『喰いしん坊!』『てんむす』ほか
2 料理人というお仕事
包丁一本の“スゴ腕料理人”たち 『ザ・シェフ』『食キング』ほか
一流職人をめざしての努力と成長を描く 『味いちもんめ』『蒼太の包丁』ほか
女性料理人も続々登場 『おいしい関係』『グ・ラ・メ!~大宰相の料理人~』ほか
時をかける料理人たち 『信長のシェフ』『大江戸きっちん』ほか
3 「作る」より「食べる」主人公たち
『美味しんぼ』のどこが画期的だったか
食べる側=「素人」と作る側=「プロ」の狭間で 『築地魚河岸三代目』ほか
「食べるだけ」の主人公たち 『孤独のグルメ』『たべるダケ』ほか
情報マンガとしての外食エッセイ 『恨ミシュラン』『おごってジャンケン隊』ほか
「食べるだけ」どころか「語るだけ」の作品も 『極道めし』『めしばな刑事タチバナ』ほか
4 食をめぐる人間ドラマ
食と涙と男と女 『深夜食堂』『おいピータン!!』ほか
弁当箱に気持ちを詰めて 『高杉さん家のおべんとう』『日日べんとう』ほか
5 実用レシピ付きストーリー
男子厨房に入るべし! 『クッキングパパ』『きのう何食べた?』ほか
女子と料理の近くて遠い仲 『恋愛レシピ』『花と奥たん』ほか
料理はズボラでかまわない 『花のスボラ飯』『セイシュンの食卓』ほか