『「表現の自由」の守り方』


山田太郎
[発行]星海社 [発売]講談社
2016年4月25日発行
定価:840円
ISBN978-4-06-138586-3

[目次]
プロローグ COOL JAPAN 2020

はじめに
SFではない表現の危機
経済人から見た政治家
「理解できない」若者は危険か
永田町の論理の中で
表現の自由を守るために

第1章 児童ポルノ禁止法
児童ポルノ禁止法とくすぶり続けてきた表現規制
改正案の問題点と「アニメ・マンガ・ゲームの調査研究」
表現の自由について、初の質問
一九九九年の「紀伊國屋事件」
実際には規制されたしずかちゃんのお風呂シーン
議員立法には答えられない―安倍総理、麻生副総理の答弁
閣法と議員立法
マンガは子供の読むもの?
平沢勝英議員との討論
「見たくないものは規制する」のは政治家の仕事なのか?
再修正案で附則二条は削除されたが…
性虐待でも児童ポルノではない?「三号ポルノ」の問題点
問題の本質は「児童ポルノ」という名称
好き嫌いで判断する議員
附帯決議には附帯決議を
参議院法務委員会での四〇分間の死闘
マンガ・アニメ・ゲームに関する調査研究は行わない
韓国の事例―もし附則の二条が採決されていたら?
一年後にやってきた単純所持規制
フィギュアは児童ポルノか?
CG児童ポルノ事件の現在

第2章 TPPと著作権非親告罪化
TPPによる表現の危機
TPP知的財産分野の三つの争点
著作権非親告罪化とコミケの危機
死者を出した韓国での「著作権トロール」
コミケは、本当に危険な状態だった
「非親告罪化がコミケに影響なしとは言えない」
コミケを知らない政府
幸運が重なったTPP交渉官への働きかけ
安倍総理のフライング答弁
「MANGA議連」とは何か?
「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展で同人文化の講義
文科大臣からの著作権課長への指示
「原則は親告罪に」「海賊版のみ非親告罪」
民間企業出身だからできたこと
七一七分の一にできること
人と人をつなぐということ

第3章 国連からのふたつの「外圧」
外圧と表現規制
国連特別報告者ブキッキオ氏の記者会見
国連特別報告者とは何者か?
「極端な児童ポルノの漫画を禁止するべき」
国連女子差別撤廃委員会からの二〇〇九年勧告
条約が法律より上になる、日本国憲法のカラクリ
勧告が出されてからでは遅い
「児童ポルノ推進議員」という誤解
「過激な児童ポルノ的内容のマンガを禁止せよ」
常に後手後手な日本
三〇パーセント発言の撤回まで
「三〇パーセント発言」以外の問題点
全世界に拡散されたイメージ
根拠なき勧告にノーを言うために
外務大臣・官房長官が動く
日本における児童の性的搾取への取り組みの弱さ
国会質疑というタイムリミットで迫る
「政府一丸となって」の嘘
一夜にして変わった政府の答弁、菅長官の「やります」答弁
予算委員会ごの内閣官房長官とのやりとり
児童養護と表現規制は表裏
国連女子差別撤廃委員会からの再勧告
皇室典範批判
外務省の抗議と世論の影響
ブキッキオ氏の報告書
国連人権理事会からの勧告
政府への質問主意書を武器に闘う
架空のキャラクターに人権なし
人権はグローバル。文化はローカル

第4章 「有害図書」軽減税率
寝耳に水の有害図書指定
出版業界に自主規制をさせる
表現規制を扱ったエンターテインメント
自主規制に積極的な出版業界
日本の権力者ナンバー2との闘いか?
予算委員会で“租税法律主義”で対抗
チャタレイ夫人の珍回答
ひっかけ質問に乗った安倍総理
『日経新聞』の「フライング」記事
幻となったパネル
国会は弁論大会の場ではない

第5章 通信の秘密
優れた日本の法律、政治家の仕事
表現の自由と通信の秘密が同じ憲法二一条に含まれる理由
電子メールは通信の秘密に含まれるか?
山田太郎流の「レク」のやり方
総務省と法務省の抵抗
刑訴法一一一条の「処分」とは
現実的に問題なのは何か
インターネットの遮断はできない
通信の秘密を脅かしかねない法律 1 ―通信傍受法
通信の秘密を侵しかねない法律 2 ―児童ポルノ禁止法
インターネットは基本的人権

第6章 青少年健全育成基本法と表現規制の今後
表現規制の今後
「青少年健全育成条例」の「親玉」
「子ども・若者育成支援推進法」改正案としての「青少年健全育成条例」
法律を逆の目的に書き換えた「改正案」の手口
復活する附則の二条と、青少年健全育成担当大臣
表現規制派の戦略、反対の難しさ

特別対談 赤松健×山田太郎

あとがき

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