海外マンガ交流部会 第2回海外マンガ読書会


――ジョアン・スファール『星の王子さま(バンド・デシネ版)』池澤夏樹訳
(サンクチュアリ出版、2011年)

日時:2019年1月19日(土)15時~17時30分
場所:専修大学神田校舎7号館772教室
(会場までのアクセス)

ここ数年、海外マンガの翻訳が飛躍的に増大してきています。ほぼリアルタイムの新作もあれば、古典的作品の翻訳もあります。また、世界の多様なマンガ文化を翻訳によって幅広く概観することができる環境が整ってきました。
日本マンガ学会海外マンガ交流部会は発足以来すでに10年にわたる活動実績がありますが、今こそ海外マンガをじっくり読み、共有する場を皆さんとご一緒に作り上げていければと「海外マンガ読書会」を発足いたしました
「海外マンガ」と一口に言っても、時代も、言語・文化的背景も、手法も、ジャンルも様々です。一つの作品を共有し、参加者の皆さんのそれぞれの見地を活かしながら、海外マンガのおもしろさをご一緒に共有してみませんか?
テーマから、ジャンル、表現技法、ストーリーテリング、日本のマンガや、映画、文学など他のメディアとの比較など様々な観点から、参加する皆さんの声を交換しあうことで、海外マンガをより楽しく、深く、幅広く、多面的に味わうことができればと思います。

第2回読書会の対象作品としてとりあげるのは、世界文学の名作『星の王子さま』のバンド・デシネ版。サン=テグジュベリ(1900-44)による小説『星の王子さま』(1943)は最初の翻訳(内藤濯訳、岩波書店、1953)刊行以来、長年にわたり日本でも人気のある作品であり続け、さらに岩波書店による翻訳出版権が消失して以降、21世紀に入り「ブーム」と呼べるほど様々な版の翻訳刊行が相次ぐなど特別な物語であり続けています。
原作者の遺族が公式に認めたBD(バンド・デシネ)版として、1971年生まれのジョアン・スファールにより、BD(バンド・デシネ)版として新たに生まれ変わった『星の王子さま バンド・デシネ版』(2008)は、小説の新訳も手がける作家・池澤夏樹氏の翻訳で2011年に翻訳刊行がなされています。
名場面がどのように再現・解釈されているか、元気で活発な男の子としての王子さまのキャラクター設定、古典文学のコミックス化をめぐる原作小説とのメディア比較、BDとしての作画・表現法、世界文学としての可能性など様々な観点から読みどころに満ちています。
テキストはサンクチュアリ出版から刊行されている翻訳版としますが原書でも結構です。原作小説の翻訳版(池澤夏樹訳、集英社文庫など)と読み比べるのも有効でしょう。
どなたでもご参加いただけます。お気軽に直接会場にお越しください。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。

【参考】
<星の王子さま バンド・デシネ版 公式ホームページ(サンクチュアリ出版)>

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