海外マンガ交流部会 第8回例会
海外マンガ交流部会 第8回例会「アメリカン・コミックス研究を展望する」
日時:2015年7月11日(土)午後2時~5時30分
場所:専修大学神田キャンパス7号館773教室
(会場までのアクセス)
・水道橋駅(JR)西口より徒歩7分
・九段下駅(地下鉄/東西線、都営新宿線、半蔵門線)出口5より徒歩3分
・神保町駅(地下鉄/都営三田線、都営新宿線、半蔵門線)出口A2より徒歩3分
*生田キャンパスではありませんのでご注意ください。
スケジュール
14:00-14:45 研究発表(1)
藤本幸治氏(京都外国語大学/言語学・アメリカンコミックス研究)
「ピーター・パーカーは何故、NYCに住んでいるのか。」
14:50-15:35 研究発表(2)
馬場聡氏(日本女子大学/アメリカ文学文化研究)
「対抗文化とアンダーグラウンド・コミックス――風刺とパロディの政治学」
15:50-17:10 講演
印口崇(おしぐちたかし)氏(漫画評論家)
「ビジュアルで楽しむアメコミ」
企画概要
毎年度、開催している日本マンガ学会海外マンガ交流部会の定例年次部会として、海外マンガ研究に関する研究会を本年度は東京・神田にある専修大学にて開催します。
本年度のテーマは「アメリカン・コミックス研究を展望する」と題して、講演および研究発表2件を予定しています。
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが2009年にアメリカン・コミックスの老舗会社マーヴェル・コミックスとの事業提携を行って以後、そのキャラクターを主人公とする最初の作品となった『ベイマックス』(Big Hero 6, 2014)を含め、現在なおも続々と「アメコミ」作品がハリウッドで映画化され続けており、小学館集英社プロダクションを中心に翻訳紹介も飛躍的に進んできています。その一方で、マンガ研究のみならず、ポピュラーカルチャー研究においても「アメリカン・コミックス」は重要な存在でありながら、その歴史/奥行きの広さからなかなか敷居の高い領域であり続けていますが、この公開研究会は一般の方々にも開放されているものであり、アメリカン・コミックス研究の現在の状況を展望する貴重な機会となることでしょう。
漫画評論家であり、アメリカン・コミックスをはじめとする海外コミックスの紹介などで長年に渡り、漫画文化の発展に貢献をされてこられた印口崇(おしぐちたかし)氏による講演では、1960年代における「アメコミ」との出会いから、1990年代に「アメコミ」を日本で専門的に輸入販売を行う契機となった作品や作家の紹介を図版を交えながらお話いただく予定です。今現在の「アメコミ」とは少し異なる、作家主体のヒーローコミックス作品が台頭していた時代のお話を印口氏ご自身の貴重な体験を交えながら伺わせていただきます。
さらに研究発表2件として、藤本幸治氏(京都外国語大学/言語学・アメリカンコミックス研究)による「ピーター・パーカーは何故、NYCに住んでいるのか。」では、アメリカン・コミックスの略史・先行研究を参照しながら、『スパイダーマン』(ピーター・パーカー)について映像作品、同作品の日本版(マンガ、テレビ番組)との比較考察などを行っていただきます。日米間で観察される興味深い差異(各々の道徳観・宗教観等)など多くの問題が見えてくることになるでしょう。
馬場聡氏(日本女子大学/アメリカ文学文化研究)による「対抗文化とアンダーグラウンド・コミックス――風刺とパロディの政治学」では、1960年代から70年代にかけて既存の新聞・雑誌メディアのオルタナティヴとして、対抗文化の動態を伝える新しいインディペンデント系メディアとして注目されることになった、「アンダーグラウンド・コミックス」と称される新たなジャンルに注目し、その諷刺/パロディの政治性を具体的に分析しながら、主流文化と対抗文化との文化闘争のダイナミズムについて考察いただく予定です。
多くの方々のご参加をお待ちしています。
日本マンガ学会 海外マンガ交流部会
部会代表:小野 耕世
事務局:中垣 恒太郎(nakagaki@ic.daito.ac.jp)